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『 何にもしないをする 』


くまのプーさんの台詞の中で『何もしないをする』という言葉があります。この言葉はプーさんがクリストファー・ロビンとのお別れの一節でテレビ版のアニメーションに放送された事が記憶に新しく実写映画の『プーと大人になった僕』にも出てくる言葉です。


1.『何もしないをする』とはどういう事だろう?

クリストファー・ロビンとくまのプーさんの遊び場は
100エーカーの森だけにはとどまらずに家に遊びに行く事もあります。プーと仲間達だけで物語を繰り広げる映画もありますが、もともとはクリストファー・ロビンのお気に入りのぬいぐるみ達が出てくるストーリーを著者で父親であるA.Aミルンが息子のロビンに合わせて作ったお話であくまでプーさんはロビンのぬいぐるみという体で家や100エーカーの森を行き来をする事ができました。
物語ではプーさんという性格がおっとりとしたくまのぬいぐるみが森で冒険をしたり仲間たちのちょっとした問題を解決していく話に人間の男の子がたまに遊びにくる事が概ねのストーリーとしてありますが、森の中でプーとクリストファー・ロビンはいったい毎日をどうやって何もしないをして過ごしたのでしょう?



2.実はこのプーさんや仲間たちのぬいぐるみ達、本当に実在していました!

出典: くまのプーさん-テディベアとディズニー

A.Aミルンが1921年にイギリス ロンドンの老舗百貨店ハロッズでクリストファー・ロビンの1歳の誕生日にプレゼントされた上の写真に載っているテディベアがくまのプーさんのモデルの1つです。

出典:くまのプーさん

童話内の挿絵を担当したE.Hシェパードの息子が持っていたテディベアはシュタイフ製で別物だった事から物語と挿絵でクマのプーさんのモデルは2つあったという記載がありました。だからどうという事はないのですが、シュタイフ製とハロッズ製(ライバル会社)の両方のテディベアが1つの物語のモデルとして残ったという事が私的には好奇心をそそられるエピソードでした。
馴染み深く感じる赤いシャツを着た黄色い『くまのプーさん』もDisneyアニメーション映画で手に取りやすい形に脚色されたものを子供の頃に見たプーさんとして様々な形で人の記憶に残っているんですね。


くまのプーさんの物語に散りばめられた『何もしないをする』事について



3.くまのプーさんはA.Aミルンの戦争神経症を癒す為に息子と遊んだ森で誕生した


第一次世界大戦に参加したA.Aミルンは戦後にPTSDに悩まされ心の傷を癒す為にイギリスの田舎にあるアッシュダウン・フォレスト(アッシュダウンの森)という100エーカーの森の舞台となった場所へ息子のロビンを連れて遊びに行ったそうです。

プーさんを含むぬいぐるみ達を引き連れて息子とごっこ遊びやバスケットの中からティーセットを取り出しておままごと等で遊ぶ光景が目に浮かびます。
多様な作家活動をしていたA.Aミルンは息子と遊んでいる内にもインスピレーションが湧きでた事で『くまのプーさん』という名作が生まれたのでしょう。いまの場面にぴったりな言葉の引用があります。




プーと大人になった僕』の名言である
"何もしない"は"最高の何か"につながる


まとめ

忙しくする程に新しいアイデアというものは生まれないのかもしれません。毎日の決められたルーティンをこなしながら時たまに頭を空っぽにする自由な時間を作る事が大切だとプーさんは教えてくれています。
きっと作者であるA.Aミルンも息子とゆったりとした時間を森で過ごして"何もしない"をする事で『くまのプーさん』の構想を思いついて"最高な何か"に繋げた事が出来たのだと思います。
キッカケは大事な息子と過ごした時間を紙に書き留めていただけなのかもしれません。
第一次世界大戦で兵士として身を投じた先で3分の間ですら長く緊迫と張り詰められていたと思えば思うほど、森で息子と自身の心を癒す時間は解放的な時間だったはずです。銃を構えている3分間よりもティータイムの3分間の後者の方が希望に満ちている。
時間の重さを知った後の"何もしない"は平和が何よりも貴重で尊いものだと教えられます。


今、生きていると感じると実感できる時間を過ごす瞬間こそが最高な"何か"に繋がる。


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